2023年度 理事長所信
(一社)久留米青年会議所
理事長 小松宏吉
礎
~70周年やその先、未来のために~
はじめに
近年の久留米青年会議所の活動と新型コロナウイルス感染症の影響とは切っても切り離
せない現状があります。事業を自粛し、懇親会を実施せず、ハイブリッド形式を採用する
など、様々な方策を模索しながら活動を継続してきました 。今後もなお難しい判断に迫ら
れる状況が続いていくことと思いますが、世界の情勢は変化しています。新型コロナウイ
ルス感染症と上手く付き合いながら、様々な活動を止めない方向へ舵を切りつつあります。
2023年度は、久留米青年会議所においても、新型コロナウイルス感染症の予防を徹底
しながらも、活動を止めず久留米青年会議所らしい活動を1年間全力でやり抜きたいと考
えております。コロナ前に当たり前にできていた青年会議所としての活動を取り戻し、当
たり前のことを当たり前にやる、このことを徹底してやっていきます。
また、久留米青年会議所喫緊の課題として、会員の拡大があります。このまま新しい会
員を迎えなければ、3年後には久留米青年会議所が30人しかいないLOMになってしま
うという未来が待っています。2023年度は、会員拡大を最重要事業として取り組んで
いきたいと考えています。
そして、先輩方が作り上げてきた久留米青年会議所は、本年で69年目を迎え、202
4年には70周年を迎えます。私たちは、本年を70周年、そしてその先の未来に向け飛
躍する年にしなければなりません。その大事な1年だからこそ、今一度自分たちを見つめ
直し、青年会議所において活動する意義を明確に認識しながら楽しく活動し、まちから求
められ市民から共感を得ることができる団体でありたいと考えています。
JAYCEEへの成長
久留米青年会議所にはアカデミー委員会があります。
1985年に創設されて以来、青年会議所の基礎や礼儀・礼節を学び、今後の青年会議
所活動が素晴らしいものになるよう、メンバーを育んできました。厳しい中にも楽しみな
がら学ぶ環境を構築し、苦しいときも楽しいときも互いに助け合い、皆で一つのことを達
成するよろこびを分かち合える仲間を作っていくことで、JAYCEEとなるための一年
間にする必要があります。
また、久留米青年会議所には、先輩方が創設された有馬押太鼓や久留米市民オーケスト
ラといった素晴らしい伝統があります。これら伝統を受け継ぎ、さらに次の世代へと継承
していくためにも、アカデミー委員会において、有馬押太鼓や久留米市民オーケストラに
触れて、感じ、学ぶ必要があります。
入会して、見たことや聞いたこと、行動して感じたことが今後の活動への意欲へと繋が
っていきます。青年会議所の基礎を習得し、JAYCEEとして成長することで、久留米
青年会議所で活躍し、その発展に寄与するとともに未来を創造する人財となることができ
るのです。
まちの未来のために
私たちはまちから求められる団体でなければなりません。
市民の共感を得ることができる事業は何か、市民から求められている事業は何か、どうすれば
市民から信頼を得ることができるのか、それらのことを常々考えながら、我々が果たすべき役割、我々が実施すべきことを見いだしていく必要があります。
また、このまちの未来を思い描くには未来を創造していく子どもたちの存在は欠かすこ
とができません。次代を担う子どもたちに何を伝え、何を残してあげられるかをしっかり
と考え行動する責任があります。久留米青年会議所は、子どもたちがワクワクするような
場を創りだし、将来の可能性を引き出せるような機会をあたえなければなりません。
久留米のまちに存在感を示し、市民から共感や信頼を得ること、それが久留米青年会議所の存
在価値を上げることに繋がっていきます。
メンバーの未来のために
私たちの運動・活動の根幹は会員同志の絆です。
同じ方向を向き、同じ目的を持ち、足並みをそろえて起こす様々な運動・活動、これこそが久留米青年会議所の最大の強みです。多くの時間を共有しその中でお互いの人となりを知る、そのような会員同志の交流の機会を持ち、お互いの気持ちを分かち合い、絆を深めることで、大きな運動を展開していくための礎を築いていかなければなりません。
また、久留米のまちにはまつりがあります。活気のある水の祭典久留米まつりを体感することができるのは、久留米青年会議所にいるからこそできる貴重な機会です。加えて、卒業予定者にとっては晴れ舞台の一つでもあります。卒業予定者には、みこしの上から最高で特別な景色を見ていただきたいと考えています。
さらに、卒業予定者にとって最も重要な卒業式を演出します。卒業予定者は、一年間のそして自身のJC生活の最後に、思い思いの言葉を遺していきます。
会員の絆を深めるとともに、卒業予定者にとって最高のラストイヤーを演出することで卒業予定者だけでなく卒業予定者以外の会員も自身の卒業を思い描くことができ、全会員
のモチベーションを高めることに繋がり、ひいては久留米青年会議所全体の盛り上がりへと繋がっていきます。
未来のJCのために
久留米青年会議所は常に新しい仲間を探し、志高き仲間を増やしていかなければなりま
せん。
2016年に「久留米青年会議所はまちづくりを通してひとづくりをする団体」である
という共通認識をもち、その後様々な拡大手法を用い活動を行ってきました。しかし、近
年、久留米青年会議所は会員の拡大に苦戦し、会員数の大幅な減少、そしてそれに伴うL
OMとしての組織力の低下を招いてしまいました。本年度は、再度久留米青年会議所にお
いて、真の全員拡大ができる拡大手法を検証、実践することが必要です。 自分たちのため
そしてひいては久留米のまちの未来のために、会員一人ひとりが会員拡大への意識の向上
と責任感を醸成し危機感をもって会員の拡大に取り組んでいかなければなりません。
ともに活動する新しい仲間を迎え、一人でも多くの同志が集まることで、さらに久留米
のまちにおいてまちづくりひとづくりをする団体として在り続けることができるのです。
未来の組織運営のために
会務がいるからこそ、久留米青年会議所を運営していくことができるのです。
会全体の組織運営を担い、会議の設営、出欠のとりまとめ、各種大会への参加推進、情
報発信など多くの役割を担い、会の下支えをする基盤があるからこそ、会として有意義な
活動を行うことができます。
また、久留米青年会議所は、現状会員数が減少しそして各委員会のメンバーの数も減少
していますが、これは会務も例外ではありません。組織運営を担うメンバーの人数も減ら
さざるを得なくなっています。久留米青年会議所が、今後も久留米青年会議所らしく在り
続けるためには、人数が少なくなっても変わらず組織運営を行うことができるよう、運営
の仕方やシステムを見直し、合理化、効率化を図っていくことも必要です。
会を担うことにプライドを持ち、当たり前のことを当たり前に行うことを徹底し、妥協
のない組織運営を行うことで、会がより力強く運動を展開していくことができるのです。
組織の根幹となる
規則と財政は、青年会議所活動の根幹です。
議案を事前に徹底的にチェックすることで、議案の精度を向上させるとともに、会議の
無駄な時間を短縮することや事業自体の質の向上へと繋げていく必要があります。
また、近年の時代の変化や会員数の減少といった久留米青年会議所自体の在り方の変化
に合わせて、久留米青年会議所の規則の中身についても精査が必要になってきています。
今後も久留米青年会議所が継続していくために、必要な規定の変更に着手する必要がある
と考えています。
規則を遵守し財政面を徹底することで、久留米青年会議所は組織としてぶれない運動を
展開していくことができるのです。
卒業予定者の在り方
久留米青年会議所には、最後の年においては卒業予定者を敬うという伝統があります。しかし、現在では会員数の減少に伴い、委員会数の減少、委員会内のメンバーの数の減少など、久留米青年会議所全体でマンパワーが不足しています。そのため、卒業予定者にはただ安寧と卒業を待つだけではなく、戦力として久留米青年会議所の活動に尽力していただく必要がある、そのような時代になっています。久留米青年会議所が往年の勢いを取り戻し、一年間を駆け抜けるためにも、スタッフの成長と委員会運営のために、力を貸していただきたいと思います。
また、自分たちが抜けることで、久留米青年会議所がどうなるのだろうか、ということも真剣に考えてほしいと思います。自分たちがいなくなっても、久留米青年会議所が存続していけるように、後輩に想いをつないでほしいですし、新しい人財を入れるということにも率先して携わってほしいと考えています。
そして、2023年度は久留米青年会議所から、福岡ブロック協議会の会長を輩出いたします。福岡ブロック会長を務める野田康友君は、私を含め卒業予定者でもあります。重職を担う同級生のためにも、福岡ブロック協議会にコミットして、久留米青年会議所だけではなく福岡ブロック協議会を盛り上げる手助けを率先して行っていただきたいと考えています。
おわりに
JCは楽しくなければならないと考えています。なぜなら、そもそも楽しくなければJCの活動が続かないからです。楽しさを感じるものは人それぞれでいいと思います。楽しいと感じられるものがあれば、JCは続けられるし、やりたいと思えるはずです。そして、JCを続けていれば、JCの中にその人の居場所ができ、そのまま皆、笑ってJCを卒業できるはずです。
ただし、飲んで騒いで、あるいは自分がやりたいことだけをやって、それで楽しいと感じてほしいわけではありません。いろいろな苦労があって、時間をかけて取り組んで、そしてやり遂げた先に感じる達成感、それこそがJCで感じてほしいことです。やり遂げた後には、メンバー同志達成感を共有するでしょうし、そのことは何年経っても、あのころはこんなことをしたとか、あのときはどうだったとか語り合うことができるはずです。そのとき感じる楽しさがJCで感じるべき本当の楽しさであってほしいと思います。
「楽しくなければJCじゃない」
「ただし、きついことを乗り越えた先に本当の楽しさはある」
「JCでは率先してきついことを経験してほしい。そして、その先にある達成感や本当の楽しさを感じてほしい」